2004年12月06日

「放送法第32条」行動記録/日記

NHK受信料の支払の拒否が11万件を越えたそうである。 巷では、プロデューサーによる資金の流用や着服が問題になっているそうだ。

私の棲みかにNHK受信料の徴収の人がくると「うちにはテレビがありません」と いって追い返す。 テレビがない世帯はNHKの受信料は払わなくてもいいのだ。 ちゃんと放送法にそう書いてある。

放送法
第2章 日本放送協会
(受信契約及び受信料)第32条
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又は ラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。) 若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、 この限りでない
ラジオはあるがテレビのないうちの場合はこの法律のただし書きの部分に該当する。 テレビ受信機がなくても視聴可能なインターネット放送がグレーゾーンのような気もするが、 放送法の第2条のしょっぱなに「放送とは…無線通信の送信」と明記してある ので、無線方法ではないインターネットについてはおそらく現状の放送法ではカバーしきれていない。

一度ならず「そういうこという人が多い」みたいな無礼なことをのたまう 愚か者がいたので、その度に「ならば、家捜しでもしてみろ」と 家に招きいれようとするが、未だかつてそこまで踏み込んできた徴収員はいない。

日本のテレビ普及率は人口あたりでは2002年の段階で71.9%だそうである。 また前回2000年の国勢調査の結果からすると、日本の人口は約1億2700万人、世帯数は4700万世帯だそうだ。 これから計算すると、世帯当たりのテレビ普及率は1.94台となる。 どの家庭にもおよそ2台のテレビがある計算になる。 うちのようにテレビのない世帯はどれぐらいあるのだろうか。 明らかに宝くじよりは確率は高いであろうと想像するが…。

婚約者が映像業界の人で、テレビ業界の裏側については多少明るい。 今回、NHKのプロデューサーが受信料を着服したのが問題になっているわけだが、 婚約者曰く「そんなことはどこでもやってる」そうで、 かつての製作会社の同僚もキックバックみたいなことをやっていたのを知っているそうだ。 NHKのプロデューサーが製作会社に番組制作費を払うのだが、 NHKのプロデューサーの交際費などはその制作費から出ることは あたりまえにあるそうだ。 本当に制作に関係する交際費ならそれは問題ないのだが、 何をどうつかったかわからないお金も少なからずある。 制作費が入るとあらかじめまとめて渡してしまうようなケースもままあり、 厳密に言えばつまりは資金が還流していることがあるということだ。

民放の場合でも同様のことがあるそうだ。 局のプロデューサーはたいてい番組作家を個人的にかかえていて、 それはそのプロデューサーの人脈のたまものなのだが、 作家にお金をとおすことでキックバックされたお金を懐にいれる。

局外の制作会社は企画を出して、 それが通ったら制作費にありつくことができる。 比率はジャンルにもよるそうだが、婚約者のいた会社の場合だと 30本企画をだして1本通ったらいいほうだそうである。 問題なのは、 局のプロデューサーの場合だとお抱えの作家が企画を出した段階で それが通る通らないに関わらず作家にお金を払うことだろう。 で、そのお金は局プロデューサーの懐に還流する。 一度プロデューサーと仲良くなってしまえば、 糞企画だろうがなんだろうが、 台本をかかなくてもとにかく企画を出せばお金になるのだ。 これが局外の製作会社だと、企画の細部にわたってウラをとり、 あとはすぐに撮影に入れるぐらいまで詰めたものでないと門前払いだ。 まぁ、民放の場合だとNHKと違って国民のお金を預かっているわけでは ないから、事情はまったく異なるわけだが。

こういったことはバブルの時代にはとくにひどかったのだが、 さすがに最近は局の財布の紐もそこまでゆるくない。 ところが、バブル時代の味をしめた局プロデューサーは たいして倹約するようになったわけではないのが困る。 結局のところは下請け側にコスト削減のしわ寄せがよってしまうことになる。 こうやってつぶれた製作会社も多いと聞く。

昔から言われていることだが「利は仕入れにあり」である。 この構図が歪んでしまえばどこかにしわ寄せがくる。 ソフト業界は大丈夫であろうか。

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「放送法第32条」へのコメント  コメントを書く

下請けとゼネコンSIerの関係は似ていると思う。IPA受託会社もそうだなぁ

Posted by akon at 2004年12月06日 15:00

既得権益の基盤が強固で新規参入が容易ではないとされる業界はどこもがそんな感じかもしれませんね。実は航空産業も、実は医療システム業界も、……、と挙げていったらきりがないですよね。

Posted by yuntanach at 2004年12月06日 15:35
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