2004年11月30日

「読書『呪文の織り手 <デイルマーク王国史3>』」行動記録/日記

裏表紙より
機織の少女タナクィが綴る、デイルマークが〈川の 国〉と呼ばれていた頃の物語。異教徒との戦争に出征した父は戦死、 長兄ガルは心を病んで帰ってきた。だが、その陰で、邪悪な魔術師 カンクリーディンが〈川 〉に呪いをかけ、全土を洪水が襲う。ガルのきれぎれの言葉を道標に、 タナクィたちは魔術師が待ち受ける下流へと旅立つ。 デイルマーク先史を描く大河ファンタジイ第三部。
帯より
『ハウルの動く城』原作者の大河ファンタジイ、第三部
タナクィよ、古き物語を機に織れ。
呪文の織り手 <デイルマーク王国史3>
宮崎駿効果とでもいうのだろうか。 デイルマーク王国史は長らく待ち続けていたのだが、 ここのところ毎月立て続けにでてきて、 ちょっと拍子抜けの感も無きにしもあらず。

四部作のうちの第三部なのでクライマックスはまだまだこれから。 というより、やっと駒がそろってこれから話が始まるというところだろう。 第一部と第二部では、時代背景や社会背景は同じくするものの、 描かれるエピソードにはあまり直接的なつながりは見えない。 第三部は、時代がまったく違うものではあるが、 物語全体の源流とでもいう位置づけになっている。

ここで描かれる子供たちはみなたくましい。 エネルギーがある。 周囲の大人たちに翻弄されながらも、 結局は自分自身で考え、答えを出し、道を切り開いていく。 といっても単に子供が独力で苦難の道を行くというわけではなく、 必ず味方になる大人が用意されていて読んでいて安心感がある。

この手の物語は得てして叙事的記録的なものになりがちだが、 この作者の話は生活感があって子供たち同士の悪ふざけなども ちゃんと描かれているし、登場人物のそれぞれ別個の個性が 書き分けられており臨場感があって良い。 これは翻訳者の能力にも負っているのだろうが。

最終章の第四部が楽しみである。

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