2004年07月14日

「猫が死んだ」行動記録/日記

昨日、実家の母から電話があり、タクという名前の猫が死んだということだった。 享年13歳。猫にしてはよく生きたと思う。 母は涙ながらに、これでクロの血筋が絶えたと泣いていた。

クロというのは大学時代にアメリカで飼っていた猫で、大学卒業とともに日本に連れ帰った猫だ。 お腹と尻尾の先がちょっとだけ白い黒猫だった。 非常に大きな猫で、あるとき量ったら13キロあった。 といっても、太っていたわけではなく、見かけはほっそりしていた。 太ってないのに重いというのは、つまりでかいということ。 アメリカから日本に連れ帰るとき、空港で「これは本当に猫か?」と聞かれたほどだった。 ダイニングテーブルに手をかけてテーブルの上が覗けてしまうほどの大きな猫だった。 人間がご飯を食べていると、よくテーブルの上に顔をだして、おねだりしていた。 頭もよく大抵はこちらのいうことを聞き分けていたと思う。 だから、基本的に行儀はよかったと思う。 テーブルの上に顔をだすのは、上にのると怒られるのをよく分かっていたからで、 そのかわり、隙をみてはこちらを出し抜くのもまたうまかった。 ただ、日本の流感に免疫がなかったために、五歳の若さで意外なほど早死にしてしまった。

/yuntanach/blog/000031_1.jpg クロと一緒に、クロの娘のブチ子という、黒と白のまだらの猫も連れ帰ったのだが、 このクロとブチ子の間にできた4回目ぐらいの子供の一匹がタク(写真)だった。 ブチ子はクロの兄妹のミケという猫との間に生まれた猫だったので、タクは血が非常に濃い。 だからか、クロとブチ子の子供はみんなチビばっかりだった。 獣医師である弟の診断によると、タクは心臓に欠陥があるそうで、 タク以外にも4年ほど前に死んだチビクロもまた心臓が悪かった。 近親相姦の弊害なのだろうか。

タクのほんとうの名前はタクトンという。 尻尾がリズミカルに左右に振れるのが印象的で、父が指揮棒のようなのでタクトという名前にすると言い張ったので、4文字にしてタクトンという名前になった。 実は自分でかってに作った命名規則があり、クロは2文字、クロの子供のブチ子は3文字、 だから、ブチ子の子供であるタクは本当は4文字であるのが正しい。 ただ、実家の人間はそんなことは気にせずいつの間にかタクという名前に落ち着いてしまった。

/yuntanach/blog/000031_2.jpg タクは親のクロに似ず、小柄で気が弱いねこだった。 生まれてすぐ母猫のブチ子が死んでしまったので、母が育ての親だ。 人間の赤ちゃん用の哺乳瓶とミルクで育てた。 タクは寝るときも哺乳瓶を放さず、自分の身体より大きい哺乳瓶を抱えて寝ていた。 用意するのはもっぱら母の役目だ。 それもあってか、常に母のそばを離れず、母が買い物に出たりすると、 玄関の前で帰ってくるまで鳴いたりしていた。 また、兄弟猫たちはみんなすぐに外を覚えて、しょっちゅう外に出たがったものだが、タクは外には興味がないようだった。 あるとき庭に抱いてでたところ、恐がってしがみついて大変だった。 今思えば、タクの頭にあるのは母のことだけだったのではないかと思う。

母はクロの血筋が絶えてしまったと言っていたが、 実家の周囲で黒い猫をみかけるとクロの血筋は絶えたわけではないだろうと思っている。

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