2004年06月12日

「MDAとGG」OO百韻

MDAそのものはトピックとしてはまだ落とし所が明確になっておらず、セールストークばかりが先行しているように見える。これからどうなっていくのか注目すべき点はいくつかあると思うが、そのひとつに一部の研究者がGraphTransformation(GTx)の利用を積極的に考えているということがある。となれば、この点に関して言えばMDAの主役は当然GraphGrammar(GG)ということになるであろう。

はっきりとした根拠があるわけではないが、過去10年にわたってGGをもてあそんで(もてあまして?)いた経験から感じるのは、GGをMDAで使うならば、PIM2PSMマッピングより、PIM2PIMやPSM2PSMマッピングで応用したほうが、手っ取り早くGTxっぽい感じがえられるのではないかと思う。おそらくPIM2PSMマッピングではGTxの利用は多くが期待しているほどうまくいかないのではないだろうか。PIM2PSMマッピングではほとんどの場合マッピング同士の関係が希薄であまり「GGを利用した」という大仰さがないような単純な部分ばかりなのに、一部非常に複雑なGGに基づいたGTxが必要となるのではないかと想像する。そのためMDAにおけるGTxの利用に制限を設ける必要がでてしまい、MDAでしきりに強調する「PIMからPSMが自動的に生成される」という部分を根本から瓦解させ「結局のところ実務で使えねぇ仕組み」と失望する原因になるのではないかと危惧する。

それよりは、PIM2PSMマッピングでは、膨大な変換処理スクリプトのようなものが動き、GGベースのGTxとはあまり関係しないような形になるのではないだろうか。GGベースのものよりは、そういったものが先に世に出てきてそれで定着するのではないだろうかと予想する。もちろんMDAの本題はGGを利用する事ではないので、それでいっこうに構わないことではある。

一方、PIMやPSMにリファクタリングを施すというような用途ではGGベースのGTxは比較的うまくいくのではないかと思う。あと、PIMを直接実行するような場合に、Finate State Machine(FSM)としてはかなりリッチなUMLのState Machineモデルを、平たいState Definition Tableからなる単純なFSMにする場合なんかでもGGベースの変換が効くのではないだろうか。これだったら簡単そうだ。状態遷移図とシーケンス図から独自に拡張したペトリネット図へ変換し、これまた独自の(ほぼ)架空のCPUで直接動かせるようにするといった趣旨の論文を随分前に見た記憶がある。似たようなことは当然MDAでもできてしかるべきだ。このへんは面白そうなので、一度実際にやってみる価値はあるかな。

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